東京四谷、文化放送前の急な坂を下ると表通りのビル群から静かな下町の匂いの残る通りが現れる。そこにその小料理屋が今でもある。「ねこじゃらし」あっさりとした作りの飾りっけもない、一見ごく普通のお店。落ち着けるということなのか、芸能人や舞台俳優、業界人も多く訪れる隠れた大人のお店。その「ママ」というか「おばちゃん」というか、懐かしい声を今日聞くことが出来た。気持ち舌ったらずのかわいらしい声、思わず「おぉ〜おばちゃん、元気ですか〜」「なつかしい〜」その瞬間、iichikoのお湯割り梅干し入りが脳みそいっぱいの映像で現れた。ほぼ毎日このスタイルが師匠と僕の夜だった。言ってみればこのお店で僕は「写真を一生の生業」にすることが出来たんだと思う。奥から二番目のカウンターに座り、ただ悔しくて泣いたこともあった。酔っぱらってお尻に打ち上げ花火をさして、発射させたこともあった。ただ、師匠に負けたくなかった。いつか手土産の一つでも持って、少しは立派になりましたと言ってみたい。その時も当然
iichikoがいい。